国税庁、「国税におけるコロナ対応と申告や納税などの取り扱いに関するFAQ」を更新

国税庁は、「国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取扱いに関するFAQ」を更新し、同ホームページ上で公表しております。これは、国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応や当面の申告や納税などに関して国税庁に寄せられた質問等を取りまとめたものになります。 

4月18日付で更新された質問は全部で8項目となっており、申告・納付等の期限の個別延長関係では、期限までに申告等ができなかった場合の個別延長(問1)、簡易な方法による個別延長(問2)、個別指定による延長後の申告・納付期限(問3)、申告所得税等以外の税目の個別延長(問4)、期限の個別延長が認められるやむを得ない理由(問5)、法人税又は消費税の中間申告期限の個別延長について(問6)、個別延長のための申請手続きの期限について(問14)。新型コロナウイルス感染症緊急経済対策における税制上の措置関係では、特別貸付けに係る契約書の印紙税の非課税(問9)。いずれも令和4年4月18日現在の法令等に基づいて更新されており、FAQの各ページから、必要書類や申請書等のフォーマットが開けるようになっています。 

下記は更新された8項目の内容です。 

■期限までに申告等ができなかった場合の個別延長(問1) 
新型コロナウイルス感染症の影響により、期限内に申告・納付等ができなかった場合、個別延長の適用を受けることはできますか。 
○新型コロナウイルス感染症の影響により、期限までに申告・納付等をすることができないと認められるやむを得ない理由がある場合には、所轄税務署長に「災害による申告、納付等の期限延長申請書」 を申請し、その承認を受けることにより、その理由がやんだ日から2か月以内の範囲で個別指定による期限延長が認められることになります。 
○今般の新型コロナウイルス感染症に関しては、これまでの災害時に認められていた理由のほか、納税者又は税務代理等を行う税理士等が感染するなど、新型コロナウイルス感染症の影響により申告書や決算書類などの国税の申告・納付等の手続に必要な書類等の作成が遅れ、その期限までに申告・納付等を行うことが困難な場合には、個別指定による期限延長が認められます。 
○なお、期限までに申告・納付等をすることができないやむを得ない理由の内容等について税務署からお尋ねする場合があります。 
○また、還付申告は5年間することができるので、この場合には、令和3年分確定申告期限を過ぎて申告しても問題はありません。 

■簡易な方法による個別延長(問2) 
新型コロナウイルス感染症の影響により、個別延長を申請する場合に、申告書の余白等に所定の文言を記載する方法での申請はできないのでしょうか。 
○新型コロナウイルス感染症の影響により、期限までに申告・納付等をすることができないやむを得ない理由がある方については、申請により個別指定による期限延長が認められます。そのような方については、期限までに申告・納付等をすることができないやむを得ない理由を具体的に確認する必要があるため、個々の状況を記載する欄がある「災害による申告、納付等の期限延長申請書」を作成・提出してください。 
(参考)個別指定による期限延長手続の具体的な方法 
申告所得税、贈与税及び個人事業者の消費税 
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/kansensho/pdf/0020004-021_02.pdf
○「災害による申告、納付等の期限延長申請書」は郵送で提出できるほか、「e-Taxソフト」 を利用して申請することもできます(注)。 
(注)国税庁ホームページの確定申告書等作成コーナーから申請することはできません。また、e-Taxソフトを利用する場合、e-Taxソフトのインストールやマイナンバーカード等が必要となります。 

■個別指定による延長後の申告・納付期限(問3) 
個別指定による期限延長が認められた場合には、申告・納付期限はいつになるでしょうか。 
○新型コロナウイルス感染症の影響が続き、申告等ができなかった場合は、申告等ができるようになった日から2か月以内に「災害による申告、納付等の期限延長申請書」を所轄の税務署に提出していただくことになります。この場合は、所轄の税務署長が指定した日が申告・納付期限となります。 
○なお、申告書等と「災害による申告、納付等の期限延長申請書」を同時に提出した場合には、原則としてその提出日が申告・納付期限等になります。 
○個別指定による期限延長の申告をされる方の預貯金口座からの振替日は、税務署から個別に連絡いたします。 
なお、新規に振替納税の利用を希望される方は、申告の日(※)までに所轄の税務署へ「預貯金口座振替依頼書」を提出していただく必要があります。 
※申告・納付期限の個別指定による期限延長をされる場合は、申告の日が提出期限となりますので、申告書と併せて「預貯金口座振替依頼書」を提出していただく必要があります。 
(参考)個別指定による期限延長により令和4年4月15日(金)までに申告された方の預貯金口座からの振替日は次のとおりです。 

申告所得税及び復興特別所得税:令和4年5月31日(火) 
個人事業者の消費税及び地方消費税:令和4年5月26日(木) 

■申告所得税等以外の税目の個別延長(問4) 
申告所得税等以外の税目について、個別指定による期限延長の適用を受けることはできないのですか。 
○法人税や相続税といったその他の税目についても、新型コロナウイルス感染症の影響により期限までに申告・納付等が困難な方もおられると考えられ、そのような方については個別指定による期限延長が認められます。 
○なお、個別指定による期限延長を申請する場合は、期限までに申告・納付等をすることができないやむを得ない理由を具体的に確認する必要があるため、申告所得税等の取扱いと同様に、個々の状況を記載する欄がある「災害による申告、納付等の期限延長申請書」を作成・提出してください。 
○具体的な方法等については、国税庁ホームページ「個別指定による期限延長手続の具体的な方法」を参照してください。 
(参考)個別指定による期限延長手続の具体的な方法 
法人税及び地方法人税・法人の消費税・源泉所得税 
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/kansensho/pdf/0020004-044.pdf
相続税 
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/kansensho/pdf/0020004-074.pdf

■期限の個別延長が認められるやむを得ない理由(問5) 
新型コロナウイルス感染症に関連して、期限内に国税の申告・納付ができない場合、災害その他やむを得ない理由による期限延長が認められますか。 
〇新型コロナウイルス感染症(以下、この問では「感染症」といいます。)に関しては、これまでの災害時のように資産等への損害や帳簿書類等の滅失といった直接的な被害が生じていないものの、感染症の患者が把握された場合には濃厚接触者に対する外出自粛の要請等が行われるなど、自己の責めに帰さない理由により、その期限までに申告・納付等ができない場合も考えられます。 
〇今般の感染症に関しては、これまでの災害時に認められていた理由のほか、例えば、次のような理由により、申告書や決算書類などの国税の申告・納付の手続に必要な書類等の作成が遅れ、その期限までに申告・納付等を行うことが困難な場合には、困難な理由がやんだ日から2か月以内の範囲で個別の申請による期限延長(個別延長)が認められることとなります(国税通則法11条、国税通則法施行令3条3項、4項)。 
〇なお、期限までに申告等をすることができないやむを得ない理由の内容等について、税務署からお尋ねする場合があります。 
※各税目に関する具体的な申請手続については、問14をご参照ください。 

〔個人・法人共通〕 
①次のような事情により、納税者や法人の役員、経理責任者及び税務代理等を行う税理士(事務所の職員を含みます。)が、保健所・医療機関・自治体等から外出自粛の要請を受けたこと 
・感染症に感染した 
・発熱の症状があるなど、感染症に感染した疑いがある 
・感染症の患者に濃厚接触した疑いがある 
・基礎疾患があるなど、感染症に感染すると重症化するおそれがある 
②納税者や法人の役員、経理責任者及び税務代理等を行う税理士(事務所の職員を含みます。)などが、現在、外国に滞在しており、ビザが発給されない又はそのおそれがあるなど入出国に制限等があること 
③次のような事情により、企業や個人事業者、税理士事務所などにおいて通常の業務体制が維持できない状況が生じたこと 
・経理担当部署の社員が、感染症に感染した、又は感染症の患者に濃厚接触した事実がある場合など、当該部署を相当の期間、閉鎖しなければならなくなったこと 
・学校の臨時休業の影響や、感染拡大防止のため企業が休暇取得の勧奨を行ったことで、経理担当部署の社員の多くが休暇を取得していること 
・新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき、生活の維持に必要な場合を除きみだりに自宅等から外出しないことが求められ、在宅勤務の体制も整備されていない等の理由から、経理担当部署の社員の多くが業務に従事できないこと 

〔法人〕 
④感染症の拡大防止のため多数の株主を招集させないよう定時株主総会の開催時期を遅らせるといった緊急措置を講じたこと(問10参照) 
※上記以外にも、個別の申請により申告期限等が延長される場合がありますので、ご不明な点がございましたら所轄の税務署(調査課所管法人については所轄の国税局)へご相談ください。 

■法人税又は消費税の中間申告期限の個別延長について(問6) 
法人税又は消費税の中間申告について、その提出期限までに中間申告書の提出がなかった場合には、中間申告書の提出があったものとみなされることとされています。新型コロナウイルス感染症の影響により、その提出期限までに中間申告書が提出できない場合、災害その他やむを得ない理由による提出期限の延長が認められますか。 
〇法人税又は消費税の中間申告についても、期限までに提出することができないと認められるやむを得ない理由がある場合には、確定申告と同様に、所轄税務署長に申請し、その承認を受けることにより、その理由がやんだ日から2か月以内の範囲で、その提出期限の延長が認められます(国税通則法11条、国税通則法施行令3条3項、4項)。 

〔中間申告書の提出期限の延長について〕 
〇法人税及び消費税の中間申告については、前期の確定した税額から中間申告に係る税額を計算するもの(以下「通常の中間申告」といいます。法人税法71条、消費税法42条)と、これに代えて、中間期間を一つの事業年度(又は課税期間)とみなして確定申告と同様に法人税額(又は消費税額)を計算するもの(以下「仮決算による中間申告」といいます。法人税法72条、消費税法43条)があります。 
〇これらに係る中間申告書についても、新型コロナウイルス感染症の影響により、その提出期限までに提出することが困難な場合には、その提出期限の延長が認められます(国税通則法11条、国税通則法施行令3条3項、4項)。 
〇例えば、新型コロナウイルス感染症の影響により、当期の業績が悪化しているような場合には、通常の中間申告に代えて、仮決算による中間申告を検討することとなると考えられます。 
〇その際に、外出自粛要請の影響など、通常の業務体制が維持できないことにより、例えば、 
①通常の中間申告に係る納付税額と、仮決算による中間申告に係る納付税額を比較・検討するための準備に時間を要する 
②仮決算による中間申告に係る申告書の作成に時間を要するなど、中間申告書を提出期限までに提出することが困難となる場合が考えられますが、このような場合にも、提出期限の延長が認められます。 

〔事後的な提出期限延長の申請手続について〕 
〇その提出期限までに中間申告書を提出することが困難な場合には、納税地を管轄する税務署長に対し、災害その他やむを得ない理由がやんだ日後、2か月以内に「災害による申告、納付等の期限延長申請書」を提出いただければ、税務署長が指定した日(災害その他やむを得ない理由がやんだ日から2か月以内)まで期限が延長されます。 
※具体的には、以下のリンク先の記載例をご覧ください。 
(法人)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/kansensho/pdf/0020004-044.pdf 
(個人)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/kansensho/pdf/0020004-021_02.pdf 

※中間申告書を提出することが困難な状態が、確定申告書の提出期限まで続く場合には、その中間申告書の提出は不要となります(法人税法71条の2、消費税法42条の2)。つまり、中間申告により納付する法人税及び消費税は生じないこととなります。この場合には、確定申告書を提出する際に、「災害による申告、納付等の期限延長申請書」を作成し、併せて提出してください。なお、所轄税務署から送付される確定申告書に印字されている中間税額には、その生じないこととなる税額が含まれていますので、ご使用の際には、その生じないこととなる税額相当額を控除した金額に訂正してご使用ください。 
〇なお、期限までに申告等をすることができないやむを得ない理由の内容等について、税務署からお尋ねする場合があります。 

〔中間申告書のみなし提出について〕 
〇一方、上記のような事情がなく、中間申告書をその提出期限までに提出することが可能な場合において、中間申告書の提出期限までにその提出がなかったときには、その提出期限において通常の中間申告に係る中間申告書の提出があったものとみなされます(法人税法73条、消費税法44条)。 
〇この場合には、その提出期限において通常の中間申告に係る納付税額が確定します。なお、新型コロナウイルス感染症の影響により、その中間申告に係る納付税額を一時に納付することが困難な場合には、税務署に申請することにより、納付の猶予制度を適用できる場合があります。猶予に関するご相談等については、所轄の税務署(徴収担当)にお電話ください。 

■個別延長のための申請手続きの期限について(問14) 
申告期限等の延長を行うための個別の申請は、いつまでに行う必要がありますか。 
〇災害その他やむを得ない理由により、申告期限等の延長を受けようとする場合には、災害その他やむを得ない理由のやんだ日から2か月以内に申請を行っていただく必要があります。申請に当たっては、納税地を管轄する税務署長に対し、災害その他やむを得ない理由がやんだ日後、2か月以内に「災害による申告、納付等の期限延長申請書」を提出いただければ、税務署長が指定した日(災害その他やむを得ない理由がやんだ日から2か月以内)まで期限が延長されます。 
※延長後の納付期限までに納付することが困難な場合には、納付の猶予制度を適用できる場合があります。適用を受けるためには別途、税務署に申請手続が必要になりますので、猶予に関するご相談等については、所轄の税務署(徴収担当)にお電話ください。 
〇具体的な申請手続については、以下のリンク先をご参照ください。 
(参考)個別指定による期限延長手続の具体的な方法 
申告所得税・贈与税・個人事業者の消費税 
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/kansensho/pdf/0020004-021_02.pdf
法人税及び地方法人税・法人の消費税・源泉所得税 
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/kansensho/pdf/0020004-044.pdf
相続税 
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/kansensho/pdf/0020004-074.pdf
〇なお、期限までに申告等をすることができないやむを得ない理由の内容等について税務署からお尋ねする場合があります。 

■特別貸付けに係る契約書の印紙税の非課税(問9) 
新たに措置された「特別貸付けに係る契約書の印紙税の非課税」について教えてください。 
〇今般、措置された特例「特別貸付けに係る契約書の印紙税の非課税」により、新型コロナウイルス感染症及びそのまん延防止のための措置によりその経営に影響を受けた事業者に対して行う一定の金銭の貸付けに係る消費貸借契約書(注)のうち、令和5年3月31日までに作成されるものについて、印紙税が非課税とされました(新型コロナ税特法11条)。
(注)非課税措置の対象となる消費貸借契約書は、公的貸付機関等(地方公共団体、政府系金融機関等をいいます。)又は金融機関(銀行、信用金庫、信用協同組合等の民間金融機関をいいます。)が、他の金銭の貸付けの条件に比べ特別に有利な条件で行う金銭の貸付けに際して作成される消費貸借契約書をいいます。 
〇また、印紙税が非課税となる消費貸借契約書について、既に印紙税を納付している場合には、「印紙税過誤納確認申請書」を税務署に提出(注)し、税務署長の過誤納確認を受けることにより、その納付された印紙税額に相当する金額の還付を受けることができます。 
(注)過誤納となった契約書等(原本)を提示又は過誤納となった事実を金融機関等が証明した書類(原本)を提出する必要があります。 

※詳しくは以下のリンク先をご覧ください。 
消費貸借契約書に係る印紙税の非課税措置について 
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/kansensho/keizaitaisaku/inshi/index.htm

国税庁ホームページではこのほか、申告・納付期限の期限延長手続きの具体的な方法について、税目別の解説も掲載しています。「申告所得税、贈与税及び個人事業者の消費税の申告・納付期限の個別指定による期限延長手続の具体的な方法」、「法人税及び地方法人税並びに法人の消費税の申告・納付期限と源泉所得税の納付期限の個別指定による期限延長手続きの具体的な方法」、「相続税の申告・納付期限の個別指定による期限延長手続きの具体的な方法」等の文字列をクリックすると該当書式の記載例を開くことができますので、必要に応じてご確認ください。 

詳しくは、こちらをご覧ください。
参照ホームページ[国税庁] 
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/kansensho/faq/pdf/faq.pdf